2014年 02月 17日
2013年後半に見た映画の話 |
2013年も、映画をよく見た一年でした。
見た映画は手帳に書いたり、そういうSNSに記録したりしてるんだけど、ひとりでそういうのをふりかえっててもあまり面白くないですね。
好きなもの、楽しかったものの話は、誰かとワイワイとしたいのです!
そんなわけで、上半期に引き続き、下半期に見たものの記事を書きます。
あと、なぜかこの下半期の記録から、見た映画を食べものに例えるとこれですというおまけをつけています。
かなりくるし紛れ!! おもしろがっていただけたらうれしいです。
モンスターズ・ユニバーシティ ☆☆☆☆☆
モンスターズ・インクの前日譚。なりたいものがあってそれをひたむきに目指すマイクの奮闘と挫折の話として作られていますが、その脇にそっと添えられている「能力や才能を持っていたがゆえに慢心したサリーの挫折の話」に、むしろ涙を搾り取られました。サリー…!!!(熱く抱擁) それにしても、こういう子供が見ても楽しく、大人が見てもしみいる物語をつくるってなんてすごいんだろうね…。
◆フード例え◆そつがなく、おいしくて、いつ食べても大満足。安定感のある、好きなお店の、休日ランチとか。
ベルリンファイル ☆☆☆☆☆
スパイ、アクション、のっぴきならなそうな人間関係、困難を乗り越えようとする夫婦と好きなものがそろった定食のような映画!とわきたっていましたが、予想以上。お話もすごくよくできてて、主演のハ・ジョンウがなんともいえず色っぽく。ハ・ジョンウだけで白いごはんが何杯でもおいしくいただけます。この人、「哀しき獣」の主演でもあったんだなー。すごい、ぜんぜん別の人みたいじゃんか。
韓国映画ってすごいなって改めて思った1作です。
◆フード例え◆すごくおいしい、けど食べるのがちょっとめんどくさくてそのめんどくささもおいしさのうちな、韓国料理のカムジャタン(じゃがいもと豚の背骨の鍋)。無言でmgmg。
風立ちぬ ☆☆
上映後の映画館で立ち上がれないほど嗚咽している女性を見て、いったいなにがそこまでそうさせたの…と聞きたくなりました、聞けばよかった。
絶賛する向きが周りにすごく多かったんですが、わたしは最後まで乗れずで。なんか、監督、別に、それをわざわざ言う必要あるの? ってちょっと。すいませんね。
追記)「かぐや姫の物語」を見たら、少しだけこの映画のことがわかるような気持ちになりました。けどやっぱ☆ふたつ。すいませんね。
◆フード例え◆周囲の人たちの中で異常に人気があるんだけど実際に行ってみたらなんかあんましすきじゃなかったお店のお料理。このよさがわからなくてなんか申し訳ないけどなんでわたし謝ってんだろ…
ペーパーボーイ 真夏の引力 ☆☆☆
のみくだせないほど濃厚にげすい感じなのかしら…!ってどきどきしてたんですけれど、思ったほどではなく。おなかをくだすのも覚悟の上で臨んだこってりラーメンだったのに、全部食べられた上におなかもくださなかったときのような、不思議な安心と残念感。失礼。下品な化粧をした二コール・キッドマンとマシュー・マコノヒーの不穏な感じがたっぷり味わえたのでよかったです。マコノヒーはいいねえ。紅しょうがのように、いい仕事をクリティカルにキメてきますね。
◆フード例え◆意外とおなかにやさしかった濃厚とんこつラーメン。
マジック・マイク ☆☆☆
男性ストリッパーの話ということで、ショウのシーンはほんとうに最高ですばらしかったです。あれは生で見たい。主演のチャニング・テイタムことチャニング・カワイイ・テイタム、昔ほんとにストリップの仕事してただけあってちゃんと踊れるのね。眼福でありました。
お話としてはもうちょっといろいろ作りこんでもよかったかなって物足りなさもありましたが、こちらでもマコノヒーが不穏でよかった。あと、欧米におけるセクシーと日本におけるセクシーってぜんぜん違うんだなあと思いました。わりとあちらのセクシーって、即物的というか、じとっとしてないというか。お前らのいやらしいなめるような視線を傲然と受け止めてやるぜ、というか。かっこええなあ…。
◆フード例え◆ちょっと高めのハンバーガー。ポテトももちろんつけてます。
パシフィック・リム ☆☆☆☆☆
試写会の帰りに駅の階段で転んで人生初めて骨折をした思い出の一作となりました。そんなつまらないエピソードはおいといて、ほんとうに楽しくて、かっこよくて、よくできてて、ワー!!!(スタンディングオベーション)です。日本政府もデルトロ監督にクールジャパン関係の賞をあげたりしてて、おおよかったちゃんとわかってるんだわとうれしくなり。三回みにいきました(これを某所でいったらちょっとひかれました。映画ってそういう扱いなんだな…)
ヒロインのマコさんの描きかたもよかったよ。デルトロ監督はどうしてあんなふうに女性を「ちゃんと」「誠実に」見られるのだろうね。アニメや漫画を摂取してきた男性のそれは、時折ひどく偏っているような気がしてそれにげんなりし続けていたので、そのへんをこってりと聞いてみたい。みはしのクリームあんみつを一緒に食べながら(デルトロ監督はあんみつが大好き)。
◆フード例え◆すごくうまくできた、ちょっと豪勢な家のごはん。おかずのとりあわせとか、味とか、なんか知らないけどすばらしくおいしくできたやつ。
トゥ・ザ・ワンダー ☆☆
見終わったあと、この感覚がどっかで味わったぞ…と思ったら、あれです。2013年前半で見た「グランド・マスター」を見たときのアレでした。こういう、お話があるようでないような、登場人物の行動に理由があるようでないような、そういうふんわりとしたなんだろう…賢い知性と繊細な感性で受信して理解するようなものが、わたしはほんとうにわからなくて申し訳ない。けど、ほんとつまんなかった。ああ言っちゃった。
なんでしょうね、感性は大事だけどあんまそこをフューチャーされるとつらくなる。すまんがつまらなかったのだ。どうせならベンアフとハビさんをもっとたっぷり見たかった。
◆フード例え◆オーガニック野菜とかこだわりの調味料とかで作られたそうで食べてみたけど、何の感慨も沸かなかったお料理。たぶん二度は食べない。帰りにマクドナルドよってチキンナゲット買いますわ。
ホワイトハウス・ダウン ☆☆☆☆
チャニング・カワイイ・テイタム再び! マッチョなハンサムという、わりとわかりやすいヒーロータイプの俳優さんではあるのだけど、なんかこう悲しそうな顔が面白い存在感で、おおきな犬を見るような気持ちになってしまいます。マイティー・ソーのクリス・ヘムズワースなんかもそうだな。映画自体は、爆発たっぷり、銃撃たっぷり、アクションたっぷりでそりゃあもう最高です。
◆フード例え◆おいしいミックスフライ定食。コロッケ、メンチ、イカとか、そういうやつ。ソースたっぷりかけて、白いごはんといっしょにかっこむぜ!!
エンド・オブ・ウォッチ ☆☆☆☆
警察モノの面白さって、職業の特殊性と、どこの組織にもそのままあてはまる普遍的なめんどくささ(雇われて働くゆえのあれこれ)が同時に味わえるところじゃないかなと思います。エンド・オブ・ウォッチはそのへんのバランスが最高にすばらしかった。仕事だるいなーお前最近彼女とうまくいってんのかよー昼飯何食おうかなーというだらだらした時間が突然銃声でぶったぎられる。まさにこういうのが見たかった。あんまり周りに見た人がいなかったけど、大好きです。こういう刑事ドラマがあったら毎週見ちゃうよ。
世の中の事件とか事故とかそういうものを起こすのも人間ならば、その対処と後処理もまた人間がやっているのだよなー」と思ったのでした。うんこするのも人間ならばうんこ片付けるのも人間っていうかね。そういう処理をしている人たちって、隣の人とか飲み屋で一緒になった人とかの延長線にいるんだよね、そういうこと忘れちゃうんだけどさ。
◆フード例え◆なめて買ってみたら意外なくらい本格的に辛くてフリーズドライとはいえパクチーまではいっていたトムヤムヌードル。てか、また買うわこれ。
スタートレック イン・トゥ・ダークネス☆☆☆
「シャーロック」でカンバーバッチさんのすてきさに打ちのめされ、待ちに待ったスタトレだったわけです。しかし。
あれ。おかしいな。思ったよりも、味が、薄くて。って、なんかいっこく堂の時差ネタみたいになってしまい。
面白くないわけじゃないし、バッチさんはさすがの存在感だし、その他エンタープライズ号のクルーはみんなかわいくてあの船にわたしも乗りたい! 毎日毎日あのクルーたちとお仕事したい!と思いましたが、やっぱり全体的に薄味だったんだよなあ……おかしい。求めすぎちゃったのかしらね。スター・ウォーズにもそういう気持ちを抱いちゃうんだよな。あれ、脳内のほうが面白かったんだけどな…って。
◆フード例え◆ロイヤルホストのハンバーグ。メニュウの写真がおいしそう、わーいハンバーグだ!ってテンションがんあがり。けれど。食べると。あれ、頭の中の味のほうがおいしいよ? ってなるやつ。
悪いやつら ☆☆☆
どうも私は、K-POPの方たちのような整った顔立ちよりも、むくつけきといった風情の韓国男性にときめく傾向があるようです。というわけで、ベルリン・ファイルで完全にうちのめされたハ・ジョンウ祭第二段。しかし、期待していたよりは少し、わたしのハートへの飛距離が足りなかった。「L.A.ギャングストーリー」や「欲望のバージニア」のときにもあった、この飛距離足りなさ感。ハ・ジョンウさんはもちろんすてきなんですが、今回は主演でもあるチェ・ミンシクおじさんの駄目でげすで俗な感じがすばらしかったです。
◆フード例え◆本格韓国料理のお店じゃないとこで食べた純豆腐チゲ定食。本気のではなく、ちょっと辛さも足りなくて、でもまあおいしいんだけど、今度はもっとがっつりしたの食べようって思いながらも全部おいしくいただく感じ。
サイド・エフェクト ☆☆☆☆
お話の結末がばさっとたちきられるように訪れる、というのがわりと好きです。でも、それは乱暴だったり、これみよがしではいけないのです。子供のころ、そういう結末の映画を見て「ふわあおんもしろい!!」って眼が覚めるような気持ちになったのを思い出します(でも何を見たかは思い出せない)。ポランスキー監督の「ゴーストライター」とかもそんな感じで好きでした。で、これもまさにそういう感じ。だれず、どーすんのどーすんのと思った最後にぐわっともっていかれる。しびれます。はからずも今年はチャニング・カワイイ・テイタムの出演作をたくさん見ていて、こちらでは脇役でしたが、よかった。マッチョなヒーローだけじゃないのもやっていきそうです。楽しみ。
◆フード例え◆ショットグラスいっぱいの強いお酒。ぐいっといったあとガツンとやられる。
クロニクル ☆☆☆☆
暗い眸(こっちの漢字でいきたくなる)の天使、デーン・デハーンくんを堪能しまくれる、すばらしい映画。高校生が超能力を手に入れたらどうなるかっていうお話で、ひたすら自分たちのスマホで特訓の様子を録画し続けてるという仕掛けが面白かったです。あと、それまで何の接点もなかったはずの3人(タイプも所属する階層もばらばら)な男の子たちが、能力というつながりで仲良くなっていくところはほんとうに涙が出そうになりました。自分が学生だったころ、こいつとは絶対にわかりあえないって思ってたあの子やあの子も、話してみたら友達になれたのかもしれないなっていう切なさにふるえます。
お話的には斬新なものはないけれど、あの三人のバランスとかすばらしかったし、映像もよかったし、やっぱりわたしすきだなあ。
◆フード例え◆記憶の中の、学食のカレーうどん。思い出の中のそれは二度と味わえないという奇跡のような味わい。
42 世界を変えた男 ☆☆☆
アメリカの、すごくいい部分がぎゅっと出ている映画。人権とか自由とか権利とか、そういうものの明るい、まっとうな部分を信じてみようという気持ちになりました。かけこみで上映終了ぎりぎりに見に行ってよかった。こすっからい、すっかりすれたわたしですが、こういう「善なるもの」に打ちのめされてただ涙する時もあるのですよ。映画を見た後にwikiを眺めたら、球団オーナーのおじいちゃんはその後とても偏屈になっていくようで、それもまた現実のビターな味わいですな…。
◆フード例え◆おいしいステーキ。マッシュポテトにグレービーソースがけ。
恋するリベラーチェ ☆☆☆
爆発したり銃撃したりそういう映画を好む傾向にありますが、恋愛ものだってすきなのです。でも、なかなかぐっとくるものにめぐり合えない。ここ数年でぐっときちまった恋愛映画といえば「ラブ・アゲイン」とか「シングルマン」とか「J・エドガー」「ブルー・バレンタイン」あたりで、苦さを添えられていることが共通項としてあるのかな。
「恋するリベラーチェ」は、出てくる人たちがみんなおろかで馬鹿で間違ってばかりいる。でも、最後の最後に自分がほんとうに望んでいるもの、欲しているものを間違わない。そこに泣きました。うらやましかった。
◆フード例え◆深夜のファミレスで食べるチョコレートパフェ。
マラヴィータ ☆☆
組織を売ったおかげで素性を隠して生活しているマフィア一家、それがバレてしまって…って設定は面白いと思う。gleeのクイン役で、その清潔そうでエロティックな顔立ちにヤられてしまったディアナ・アグロンも出ているし、楽しみだなーと思っておりました。いや、正直にいえば、リュック・ベッソンが噛んでるって知ったときに一瞬いやな予感はした。したんだ。そしてその勘はあたってしまった。
お父さんもお母さんもおねえちゃんも弟くんも、みんなキレると徹底的に報復するところとかすごく面白いんだけど、どれもちょっと物足りない。すごく薄い。弟くんの、けんかは弱いんだけど、すごく周到にわなを張り巡らせて一気に形勢逆転する知恵者っぷりを描いたとこはよかったです。けどなあ。これ、もっともっと面白くなったんじゃないかなああ。
◆フード例え◆店頭で見たときはすごくおいしそうだったのに、買ってきたら味が薄かったかに。アメ横かよ!
ウォールフラワー ☆☆☆
「少年は残酷な弓を射る」の予告で気になっていたけれど、結局見逃してしまったので、これがはじめてのエズラ・ミラー体験となりました。…イイ!!! 彼すっごくいいですねえ。
社会にうまくなじめないのってすごく心もとなくて、そういうときに「ほらここ座りなよ」って隣をぽんぽんと示されるって、ほんとうにうれしいんだよなとか、ほんとうに大事な友達がひどく傷つけられたときに感じるつらさとか、そういうのを繊細に、ビターに描いていてよかったです。めでたしめでたしで終わりきらないとこもまた、これから先も彼らの人生は続くんだよなという予感を漂わせていてね。
◆フードたとえ◆はじめて食べるビターチョコレート。
かぐや姫の物語 ☆☆
「風立ちぬ」でもそうだったんだけど、へそ曲がりだとかそういうのではなく、まわりが言うほどこの映画を面白-い!! って思えなかったのですよ。絵はすげーなと思いました。でも、「風」もそうだけど、おじいちゃんたちが何か言い切って逃げきろうとしてるようにしか思えなくて。
◆フードたとえ◆体にいい、って言われて出されたけど何の感情も呼び起こさなかった玄米ごはんの定食。
キャプテン・フィリップス ☆☆☆☆
はいはいトムハンクスはいはい実話はいはい家族愛で感動ねってわかったような気でスルーしかけていた自分を、グーで殴って正座させて説教。こんなすごいおもしろいものをわかったような気でスルーしかけてたとか、アホかと思いますね。この映画やばいわって信頼できる映画好きのみなさんがほめてたので行ってよかったです。
見てみたらぜんぜん家族愛フィーチャーじゃないし(だからよかった)、ぜんぜんわりきれないし、しかし、その「わりきれなさ」がすっごくいい。実話ベースだっていうのと、その実話はすごくわりきれない現実から生まれたものだっていうことに、映画をつくる側がとても誠実に対応している現れなんだと思います。
あと、S.E.A.L.Sのみなさんが非常に淡々と仕事の準備をし、業務をこなして(こなして、っていう言い方は嫌いだけどこれほどふさわしい言葉はないね)去っていくあたりとかもよかったです。あそこをヒロイックにせず、けれど任務の成功を祈らずにはいられず、しかしその結論を苦さとともに受け止めさせるあたり。くー! うめえだよ、うめえだよ!
◆フードたとえ◆ふらっと飲みにいったバルとかビストロで、さほど期待せずに頼んだら、すっごくおいしかった〆の一皿。パスタとかね。
RED リターンズ ☆☆☆
一作目も楽しくて、そして二作目も楽しかった、おじいちゃんおばあちゃん大活躍アクション。エレガントに銃を撃ち、誰よりもエレガントに迷彩服を着こなしておられるヘレン・ミレン陛下のお姿を拝見するだけでもじゅうぶんに価値がある作品です。今回は若いハンサム(イ・ビョンホン)を従えての銃撃シーンもあるしね。
わたしはヘレン陛下と元彼(おじいちゃん)のサイドストーリーが見たい。ふたりでヴァカンスへ行って、その先で銃撃したりされたりしてほしい。で、銃を撃ちながらいちゃいちゃしていてほしいです。
◆フードたとえ◆全部目分量で作ってるのにすっごくおいしくて絶対に再現不可能なおばあちゃんのごはん。
セッションズ ☆☆☆
幼少期にかかったポリオのせいで体が動かない男性が恋をし、そのために脱童貞をはかろうとする作品。地味な話をていねいに積みあげていくのがよかったです。セックスサロゲーター役のヘレン・ハント、とってもいい。演技ももちろんいいんだけれど、体の感じがとてもリアルでよかった。
◆フードたとえ◆コーヒーの濃さ、ミルクの温度と量が絶妙なカフェオレ。
ゼロ・グラビティ ☆☆☆
宇宙こわい。前から思っていたけど、やっぱり宇宙は行きたくないです。それで終わってしまうのはもったいないので、もうすこし。お話としては別に目新しいものじゃないと思うんです。映像でひっぱってるからすごく新しい刺激的な作品に見えるけれどね。やはり、わたしは物語>映像なんだなあ。
後半、たまたま通じた地上の人と、お互いの言葉がわからないまま交信しあうところは人生の中でもベスト級に好きなシーン。人生の中で、自分が犬の泣き真似でアホのように嗚咽するとは思っていなかったです。
◆フードたとえ◆なんかまったく思い浮かばず。水とかかね。
鑑定士と顔のない依頼人 ☆☆☆
ジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネのコンビがかもし出す、壮大でロマンチックで根底に哀しみが流れ、不吉さがふわりとまとわされているものが、自分にとっての「映画」なんだなあって改めて思いました。おじいちゃんたちが不憫でね。他者をほんとうの意味で尊重していない好意というのは、人を深く傷つけるね。
◆フードたとえ◆鴨とか子羊とか、くせのあるお肉に、これまた癖のある野菜でつくったソースをからめた、少なめポーションのお料理。おなかいっぱいではないけれど、満ちてしまう味わい。
FLU 運命の36時間 ☆☆
ところどころ、詰めが甘いな~とか、そういうラブコメっぽさいる? とか戸惑いながらも、感染症が日常のちょっとしたことからじょじょに広まり、爆発的に拡大していくところなんかは「ぎゃあ! やだ!!」と叫ぶほどスリリングでした。韓国映画、やっぱスゲエ。そのスリリングさをやりすぎた結果が、あのUFOキャッチャーだと思うし、それを見ちゃうと最後の風呂敷たたみ具合も「あんなことやっといて、風呂敷たためるわけないだろ!」と気になってしまうのですが。
しかし、ラブコメっぽさをノイズに感じさせながらも、最後まで見せてしまうのはやはりすごい。韓国映画ほんとすごい。
◆フードたとえ◆新大久保の韓国食材スーパーで買った、トッポギスナック。辛くて甘くてくどい、けどうまい、けどくどい、けどうまい。
見た映画は手帳に書いたり、そういうSNSに記録したりしてるんだけど、ひとりでそういうのをふりかえっててもあまり面白くないですね。
好きなもの、楽しかったものの話は、誰かとワイワイとしたいのです!
そんなわけで、上半期に引き続き、下半期に見たものの記事を書きます。
あと、なぜかこの下半期の記録から、見た映画を食べものに例えるとこれですというおまけをつけています。
かなりくるし紛れ!! おもしろがっていただけたらうれしいです。
モンスターズ・ユニバーシティ ☆☆☆☆☆
モンスターズ・インクの前日譚。なりたいものがあってそれをひたむきに目指すマイクの奮闘と挫折の話として作られていますが、その脇にそっと添えられている「能力や才能を持っていたがゆえに慢心したサリーの挫折の話」に、むしろ涙を搾り取られました。サリー…!!!(熱く抱擁) それにしても、こういう子供が見ても楽しく、大人が見てもしみいる物語をつくるってなんてすごいんだろうね…。
◆フード例え◆そつがなく、おいしくて、いつ食べても大満足。安定感のある、好きなお店の、休日ランチとか。
ベルリンファイル ☆☆☆☆☆
スパイ、アクション、のっぴきならなそうな人間関係、困難を乗り越えようとする夫婦と好きなものがそろった定食のような映画!とわきたっていましたが、予想以上。お話もすごくよくできてて、主演のハ・ジョンウがなんともいえず色っぽく。ハ・ジョンウだけで白いごはんが何杯でもおいしくいただけます。この人、「哀しき獣」の主演でもあったんだなー。すごい、ぜんぜん別の人みたいじゃんか。
韓国映画ってすごいなって改めて思った1作です。
◆フード例え◆すごくおいしい、けど食べるのがちょっとめんどくさくてそのめんどくささもおいしさのうちな、韓国料理のカムジャタン(じゃがいもと豚の背骨の鍋)。無言でmgmg。
風立ちぬ ☆☆
上映後の映画館で立ち上がれないほど嗚咽している女性を見て、いったいなにがそこまでそうさせたの…と聞きたくなりました、聞けばよかった。
絶賛する向きが周りにすごく多かったんですが、わたしは最後まで乗れずで。なんか、監督、別に、それをわざわざ言う必要あるの? ってちょっと。すいませんね。
追記)「かぐや姫の物語」を見たら、少しだけこの映画のことがわかるような気持ちになりました。けどやっぱ☆ふたつ。すいませんね。
◆フード例え◆周囲の人たちの中で異常に人気があるんだけど実際に行ってみたらなんかあんましすきじゃなかったお店のお料理。このよさがわからなくてなんか申し訳ないけどなんでわたし謝ってんだろ…
ペーパーボーイ 真夏の引力 ☆☆☆
のみくだせないほど濃厚にげすい感じなのかしら…!ってどきどきしてたんですけれど、思ったほどではなく。おなかをくだすのも覚悟の上で臨んだこってりラーメンだったのに、全部食べられた上におなかもくださなかったときのような、不思議な安心と残念感。失礼。下品な化粧をした二コール・キッドマンとマシュー・マコノヒーの不穏な感じがたっぷり味わえたのでよかったです。マコノヒーはいいねえ。紅しょうがのように、いい仕事をクリティカルにキメてきますね。
◆フード例え◆意外とおなかにやさしかった濃厚とんこつラーメン。
マジック・マイク ☆☆☆
男性ストリッパーの話ということで、ショウのシーンはほんとうに最高ですばらしかったです。あれは生で見たい。主演のチャニング・テイタムことチャニング・カワイイ・テイタム、昔ほんとにストリップの仕事してただけあってちゃんと踊れるのね。眼福でありました。
お話としてはもうちょっといろいろ作りこんでもよかったかなって物足りなさもありましたが、こちらでもマコノヒーが不穏でよかった。あと、欧米におけるセクシーと日本におけるセクシーってぜんぜん違うんだなあと思いました。わりとあちらのセクシーって、即物的というか、じとっとしてないというか。お前らのいやらしいなめるような視線を傲然と受け止めてやるぜ、というか。かっこええなあ…。
◆フード例え◆ちょっと高めのハンバーガー。ポテトももちろんつけてます。
パシフィック・リム ☆☆☆☆☆
試写会の帰りに駅の階段で転んで人生初めて骨折をした思い出の一作となりました。そんなつまらないエピソードはおいといて、ほんとうに楽しくて、かっこよくて、よくできてて、ワー!!!(スタンディングオベーション)です。日本政府もデルトロ監督にクールジャパン関係の賞をあげたりしてて、おおよかったちゃんとわかってるんだわとうれしくなり。三回みにいきました(これを某所でいったらちょっとひかれました。映画ってそういう扱いなんだな…)
ヒロインのマコさんの描きかたもよかったよ。デルトロ監督はどうしてあんなふうに女性を「ちゃんと」「誠実に」見られるのだろうね。アニメや漫画を摂取してきた男性のそれは、時折ひどく偏っているような気がしてそれにげんなりし続けていたので、そのへんをこってりと聞いてみたい。みはしのクリームあんみつを一緒に食べながら(デルトロ監督はあんみつが大好き)。
◆フード例え◆すごくうまくできた、ちょっと豪勢な家のごはん。おかずのとりあわせとか、味とか、なんか知らないけどすばらしくおいしくできたやつ。
トゥ・ザ・ワンダー ☆☆
見終わったあと、この感覚がどっかで味わったぞ…と思ったら、あれです。2013年前半で見た「グランド・マスター」を見たときのアレでした。こういう、お話があるようでないような、登場人物の行動に理由があるようでないような、そういうふんわりとしたなんだろう…賢い知性と繊細な感性で受信して理解するようなものが、わたしはほんとうにわからなくて申し訳ない。けど、ほんとつまんなかった。ああ言っちゃった。
なんでしょうね、感性は大事だけどあんまそこをフューチャーされるとつらくなる。すまんがつまらなかったのだ。どうせならベンアフとハビさんをもっとたっぷり見たかった。
◆フード例え◆オーガニック野菜とかこだわりの調味料とかで作られたそうで食べてみたけど、何の感慨も沸かなかったお料理。たぶん二度は食べない。帰りにマクドナルドよってチキンナゲット買いますわ。
ホワイトハウス・ダウン ☆☆☆☆
チャニング・カワイイ・テイタム再び! マッチョなハンサムという、わりとわかりやすいヒーロータイプの俳優さんではあるのだけど、なんかこう悲しそうな顔が面白い存在感で、おおきな犬を見るような気持ちになってしまいます。マイティー・ソーのクリス・ヘムズワースなんかもそうだな。映画自体は、爆発たっぷり、銃撃たっぷり、アクションたっぷりでそりゃあもう最高です。
◆フード例え◆おいしいミックスフライ定食。コロッケ、メンチ、イカとか、そういうやつ。ソースたっぷりかけて、白いごはんといっしょにかっこむぜ!!
エンド・オブ・ウォッチ ☆☆☆☆
警察モノの面白さって、職業の特殊性と、どこの組織にもそのままあてはまる普遍的なめんどくささ(雇われて働くゆえのあれこれ)が同時に味わえるところじゃないかなと思います。エンド・オブ・ウォッチはそのへんのバランスが最高にすばらしかった。仕事だるいなーお前最近彼女とうまくいってんのかよー昼飯何食おうかなーというだらだらした時間が突然銃声でぶったぎられる。まさにこういうのが見たかった。あんまり周りに見た人がいなかったけど、大好きです。こういう刑事ドラマがあったら毎週見ちゃうよ。
世の中の事件とか事故とかそういうものを起こすのも人間ならば、その対処と後処理もまた人間がやっているのだよなー」と思ったのでした。うんこするのも人間ならばうんこ片付けるのも人間っていうかね。そういう処理をしている人たちって、隣の人とか飲み屋で一緒になった人とかの延長線にいるんだよね、そういうこと忘れちゃうんだけどさ。
◆フード例え◆なめて買ってみたら意外なくらい本格的に辛くてフリーズドライとはいえパクチーまではいっていたトムヤムヌードル。てか、また買うわこれ。
スタートレック イン・トゥ・ダークネス☆☆☆
「シャーロック」でカンバーバッチさんのすてきさに打ちのめされ、待ちに待ったスタトレだったわけです。しかし。
あれ。おかしいな。思ったよりも、味が、薄くて。って、なんかいっこく堂の時差ネタみたいになってしまい。
面白くないわけじゃないし、バッチさんはさすがの存在感だし、その他エンタープライズ号のクルーはみんなかわいくてあの船にわたしも乗りたい! 毎日毎日あのクルーたちとお仕事したい!と思いましたが、やっぱり全体的に薄味だったんだよなあ……おかしい。求めすぎちゃったのかしらね。スター・ウォーズにもそういう気持ちを抱いちゃうんだよな。あれ、脳内のほうが面白かったんだけどな…って。
◆フード例え◆ロイヤルホストのハンバーグ。メニュウの写真がおいしそう、わーいハンバーグだ!ってテンションがんあがり。けれど。食べると。あれ、頭の中の味のほうがおいしいよ? ってなるやつ。
悪いやつら ☆☆☆
どうも私は、K-POPの方たちのような整った顔立ちよりも、むくつけきといった風情の韓国男性にときめく傾向があるようです。というわけで、ベルリン・ファイルで完全にうちのめされたハ・ジョンウ祭第二段。しかし、期待していたよりは少し、わたしのハートへの飛距離が足りなかった。「L.A.ギャングストーリー」や「欲望のバージニア」のときにもあった、この飛距離足りなさ感。ハ・ジョンウさんはもちろんすてきなんですが、今回は主演でもあるチェ・ミンシクおじさんの駄目でげすで俗な感じがすばらしかったです。
◆フード例え◆本格韓国料理のお店じゃないとこで食べた純豆腐チゲ定食。本気のではなく、ちょっと辛さも足りなくて、でもまあおいしいんだけど、今度はもっとがっつりしたの食べようって思いながらも全部おいしくいただく感じ。
サイド・エフェクト ☆☆☆☆
お話の結末がばさっとたちきられるように訪れる、というのがわりと好きです。でも、それは乱暴だったり、これみよがしではいけないのです。子供のころ、そういう結末の映画を見て「ふわあおんもしろい!!」って眼が覚めるような気持ちになったのを思い出します(でも何を見たかは思い出せない)。ポランスキー監督の「ゴーストライター」とかもそんな感じで好きでした。で、これもまさにそういう感じ。だれず、どーすんのどーすんのと思った最後にぐわっともっていかれる。しびれます。はからずも今年はチャニング・カワイイ・テイタムの出演作をたくさん見ていて、こちらでは脇役でしたが、よかった。マッチョなヒーローだけじゃないのもやっていきそうです。楽しみ。
◆フード例え◆ショットグラスいっぱいの強いお酒。ぐいっといったあとガツンとやられる。
クロニクル ☆☆☆☆
暗い眸(こっちの漢字でいきたくなる)の天使、デーン・デハーンくんを堪能しまくれる、すばらしい映画。高校生が超能力を手に入れたらどうなるかっていうお話で、ひたすら自分たちのスマホで特訓の様子を録画し続けてるという仕掛けが面白かったです。あと、それまで何の接点もなかったはずの3人(タイプも所属する階層もばらばら)な男の子たちが、能力というつながりで仲良くなっていくところはほんとうに涙が出そうになりました。自分が学生だったころ、こいつとは絶対にわかりあえないって思ってたあの子やあの子も、話してみたら友達になれたのかもしれないなっていう切なさにふるえます。
お話的には斬新なものはないけれど、あの三人のバランスとかすばらしかったし、映像もよかったし、やっぱりわたしすきだなあ。
◆フード例え◆記憶の中の、学食のカレーうどん。思い出の中のそれは二度と味わえないという奇跡のような味わい。
42 世界を変えた男 ☆☆☆
アメリカの、すごくいい部分がぎゅっと出ている映画。人権とか自由とか権利とか、そういうものの明るい、まっとうな部分を信じてみようという気持ちになりました。かけこみで上映終了ぎりぎりに見に行ってよかった。こすっからい、すっかりすれたわたしですが、こういう「善なるもの」に打ちのめされてただ涙する時もあるのですよ。映画を見た後にwikiを眺めたら、球団オーナーのおじいちゃんはその後とても偏屈になっていくようで、それもまた現実のビターな味わいですな…。
◆フード例え◆おいしいステーキ。マッシュポテトにグレービーソースがけ。
恋するリベラーチェ ☆☆☆
爆発したり銃撃したりそういう映画を好む傾向にありますが、恋愛ものだってすきなのです。でも、なかなかぐっとくるものにめぐり合えない。ここ数年でぐっときちまった恋愛映画といえば「ラブ・アゲイン」とか「シングルマン」とか「J・エドガー」「ブルー・バレンタイン」あたりで、苦さを添えられていることが共通項としてあるのかな。
「恋するリベラーチェ」は、出てくる人たちがみんなおろかで馬鹿で間違ってばかりいる。でも、最後の最後に自分がほんとうに望んでいるもの、欲しているものを間違わない。そこに泣きました。うらやましかった。
◆フード例え◆深夜のファミレスで食べるチョコレートパフェ。
マラヴィータ ☆☆
組織を売ったおかげで素性を隠して生活しているマフィア一家、それがバレてしまって…って設定は面白いと思う。gleeのクイン役で、その清潔そうでエロティックな顔立ちにヤられてしまったディアナ・アグロンも出ているし、楽しみだなーと思っておりました。いや、正直にいえば、リュック・ベッソンが噛んでるって知ったときに一瞬いやな予感はした。したんだ。そしてその勘はあたってしまった。
お父さんもお母さんもおねえちゃんも弟くんも、みんなキレると徹底的に報復するところとかすごく面白いんだけど、どれもちょっと物足りない。すごく薄い。弟くんの、けんかは弱いんだけど、すごく周到にわなを張り巡らせて一気に形勢逆転する知恵者っぷりを描いたとこはよかったです。けどなあ。これ、もっともっと面白くなったんじゃないかなああ。
◆フード例え◆店頭で見たときはすごくおいしそうだったのに、買ってきたら味が薄かったかに。アメ横かよ!
ウォールフラワー ☆☆☆
「少年は残酷な弓を射る」の予告で気になっていたけれど、結局見逃してしまったので、これがはじめてのエズラ・ミラー体験となりました。…イイ!!! 彼すっごくいいですねえ。
社会にうまくなじめないのってすごく心もとなくて、そういうときに「ほらここ座りなよ」って隣をぽんぽんと示されるって、ほんとうにうれしいんだよなとか、ほんとうに大事な友達がひどく傷つけられたときに感じるつらさとか、そういうのを繊細に、ビターに描いていてよかったです。めでたしめでたしで終わりきらないとこもまた、これから先も彼らの人生は続くんだよなという予感を漂わせていてね。
◆フードたとえ◆はじめて食べるビターチョコレート。
かぐや姫の物語 ☆☆
「風立ちぬ」でもそうだったんだけど、へそ曲がりだとかそういうのではなく、まわりが言うほどこの映画を面白-い!! って思えなかったのですよ。絵はすげーなと思いました。でも、「風」もそうだけど、おじいちゃんたちが何か言い切って逃げきろうとしてるようにしか思えなくて。
◆フードたとえ◆体にいい、って言われて出されたけど何の感情も呼び起こさなかった玄米ごはんの定食。
キャプテン・フィリップス ☆☆☆☆
はいはいトムハンクスはいはい実話はいはい家族愛で感動ねってわかったような気でスルーしかけていた自分を、グーで殴って正座させて説教。こんなすごいおもしろいものをわかったような気でスルーしかけてたとか、アホかと思いますね。この映画やばいわって信頼できる映画好きのみなさんがほめてたので行ってよかったです。
見てみたらぜんぜん家族愛フィーチャーじゃないし(だからよかった)、ぜんぜんわりきれないし、しかし、その「わりきれなさ」がすっごくいい。実話ベースだっていうのと、その実話はすごくわりきれない現実から生まれたものだっていうことに、映画をつくる側がとても誠実に対応している現れなんだと思います。
あと、S.E.A.L.Sのみなさんが非常に淡々と仕事の準備をし、業務をこなして(こなして、っていう言い方は嫌いだけどこれほどふさわしい言葉はないね)去っていくあたりとかもよかったです。あそこをヒロイックにせず、けれど任務の成功を祈らずにはいられず、しかしその結論を苦さとともに受け止めさせるあたり。くー! うめえだよ、うめえだよ!
◆フードたとえ◆ふらっと飲みにいったバルとかビストロで、さほど期待せずに頼んだら、すっごくおいしかった〆の一皿。パスタとかね。
RED リターンズ ☆☆☆
一作目も楽しくて、そして二作目も楽しかった、おじいちゃんおばあちゃん大活躍アクション。エレガントに銃を撃ち、誰よりもエレガントに迷彩服を着こなしておられるヘレン・ミレン陛下のお姿を拝見するだけでもじゅうぶんに価値がある作品です。今回は若いハンサム(イ・ビョンホン)を従えての銃撃シーンもあるしね。
わたしはヘレン陛下と元彼(おじいちゃん)のサイドストーリーが見たい。ふたりでヴァカンスへ行って、その先で銃撃したりされたりしてほしい。で、銃を撃ちながらいちゃいちゃしていてほしいです。
◆フードたとえ◆全部目分量で作ってるのにすっごくおいしくて絶対に再現不可能なおばあちゃんのごはん。
セッションズ ☆☆☆
幼少期にかかったポリオのせいで体が動かない男性が恋をし、そのために脱童貞をはかろうとする作品。地味な話をていねいに積みあげていくのがよかったです。セックスサロゲーター役のヘレン・ハント、とってもいい。演技ももちろんいいんだけれど、体の感じがとてもリアルでよかった。
◆フードたとえ◆コーヒーの濃さ、ミルクの温度と量が絶妙なカフェオレ。
ゼロ・グラビティ ☆☆☆
宇宙こわい。前から思っていたけど、やっぱり宇宙は行きたくないです。それで終わってしまうのはもったいないので、もうすこし。お話としては別に目新しいものじゃないと思うんです。映像でひっぱってるからすごく新しい刺激的な作品に見えるけれどね。やはり、わたしは物語>映像なんだなあ。
後半、たまたま通じた地上の人と、お互いの言葉がわからないまま交信しあうところは人生の中でもベスト級に好きなシーン。人生の中で、自分が犬の泣き真似でアホのように嗚咽するとは思っていなかったです。
◆フードたとえ◆なんかまったく思い浮かばず。水とかかね。
鑑定士と顔のない依頼人 ☆☆☆
ジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネのコンビがかもし出す、壮大でロマンチックで根底に哀しみが流れ、不吉さがふわりとまとわされているものが、自分にとっての「映画」なんだなあって改めて思いました。おじいちゃんたちが不憫でね。他者をほんとうの意味で尊重していない好意というのは、人を深く傷つけるね。
◆フードたとえ◆鴨とか子羊とか、くせのあるお肉に、これまた癖のある野菜でつくったソースをからめた、少なめポーションのお料理。おなかいっぱいではないけれど、満ちてしまう味わい。
FLU 運命の36時間 ☆☆
ところどころ、詰めが甘いな~とか、そういうラブコメっぽさいる? とか戸惑いながらも、感染症が日常のちょっとしたことからじょじょに広まり、爆発的に拡大していくところなんかは「ぎゃあ! やだ!!」と叫ぶほどスリリングでした。韓国映画、やっぱスゲエ。そのスリリングさをやりすぎた結果が、あのUFOキャッチャーだと思うし、それを見ちゃうと最後の風呂敷たたみ具合も「あんなことやっといて、風呂敷たためるわけないだろ!」と気になってしまうのですが。
しかし、ラブコメっぽさをノイズに感じさせながらも、最後まで見せてしまうのはやはりすごい。韓国映画ほんとすごい。
◆フードたとえ◆新大久保の韓国食材スーパーで買った、トッポギスナック。辛くて甘くてくどい、けどうまい、けどくどい、けどうまい。
■
[PR]
▲
by kittarihattari
| 2014-02-17 20:30
| 今さら名画座